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撮影の話② 13/13

撮影の仕事というのは意外に撮った作品を見る機会がない。

制作会社はなかなかデータをくれないし、撮った地域とオンエアする地域はまるで別なんて事が結構ある。
今回の仕事も

「仕上がったらVTRを下さいね」
とはお願いしてあるもの、まず見られないだろうと思っている。

まぁ、それはそれで良いのだ…仕事は仕事だもの。



satsuei02_13a.jpg


2か月後、あたしはとある家電量販店のテレビ売り場に居た。

テレビに映し出されるナショナルジオグラフィックのサメ特集に見入っていたのだ
サメの機能一点張りに美しいフォルムに見とれていると
隣のテレビモニターで見覚えのあるCM映像が映し出されている。

(この前、撮ったCMじゃん!)

鼓動が少し早くなる、結局どの絵を使ったのだろう…?

サメがオタリア(アシカの仲間)を追いかけている映像は放っぽいて隣のCM画像を食い入るように見つめる…

30秒後、あたしは逃げるようにテレビ売り場から離れた、顔には変な笑いを浮かべている。
テレビ売り場のお客さん達はびっくりしたかもしれない…

CMを見ながら「しゃあ!」っと叫んでガッツポーズをする変な人間を見たのだから。



satsuei02_13b.jpg





                ― 撮影の話② おわり ―

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撮影の話② 12/13

白中毛は、あまり活発なタイプではない、まずは役者さんの足元すぐ位に置いてみる。

「では、逃げまーす」

ワクの外に転がるように下がるとスタートの声が掛かる、転がったまま振り返ると
白中毛は役者さんの方へ寄っていく、そして膝の匂いを嗅ぐとそのまま寄り添ってコロンと寝そべった
そこで役者さんがハッと起きてカット。

現場に、ほぉ~という空気が流れて

「良いんじゃないか?」
と、監督さんが言う

あたし的にも、まぁまぁ良いとは思うのだが何か物足らない、もっと良いイメージが浮かんでいるのだ。

「もう1本いいですか?」
と言いながら少し考える … … 

何となくコロンが早い、もう少し間が欲しい、しかし白中毛にタンスの上は遠いし高い…
辺りを見回すとセット内に1人掛けソファーが目に入ったので聞いてみる。

「このソファーを動かしていいですか?」
OKをもらい、少し近づけて向きも変えてみる、背もたれに白中毛を乗せて

「ここからいきまーす」
と声を掛ける、イメージ通りにいけば面白い絵になるかもしれない。

「はい、本番」

監督さんの声の後、あたしが静かに転がり逃げる

白中毛がひと呼吸おいてデロンと飛び降りる

ゆっくりと役者さんに近づき顔の前までやってくる

少し匂いを嗅ぐとおもむろに頭突きをかましてクルッと回る

回った振りで尻尾が役者さんの顔を叩く

叩いた瞬間、役者さんがハッと起きる

白中毛は床でコロコロしている

「カット」


satsuei02_12.jpg



皆がモニターに集まるのを見ながら白中毛を担ぎ上げる
予想以上に最高の動きが出た、役者さんも頭突きと叩きに起きるタイミングを合わせてくれた
これを使わずに何を使う?と思う…モニターをチェックするまでもない

「お疲れさまでーす」

と、リビングを離れ、帰り支度を始める、ネコ達をバスケットに仕舞い
あらかた片付いたころ現場にADさんの大きな声が響いた

「チェックOK、ネコさん終了しました」





                ― つづく ―

撮影の話② 11/13

続いてキジトラを使ってみる

思った通りこっちのネコは動かない、まるで置物のようだ。
でもまぁ、それはそれで絵にはなる、撮る方としても撮りやすい
数本撮ってこれでいいだろうという事になり

「OKです?じゃあ仕舞いますね」
と言いながら、ひょいとキジトラを担ぎ上げる

ネコをバスケットに入れながら(ふぅ、今日はスムーズに良い仕事が出来たんじゃね?)
と自己満足に浸っていると、後ろから監督さんが声を掛けてきた。

「時間もあることだし、君の自慢の白いネコでも撮ってみようか」

ドキッっとして振り返ると監督さんがニヤニヤしている
仕事に集中していて白中毛の事はすっかり忘れていた。


satsuei02_11.jpg



「あ、はい、では…」

白中毛を取り出しながら柄にもなく緊張してきた
あたしが薦めたいじょう良い絵を撮らせないと格好がつかない

それにもう現場は終了の空気感だ、撮っても2…3本だろう
頭をフル回転させながら白中毛を肩に乗せてリビングに入る。




                  ― つづく ―

撮影の話② 10/13

「テスト、よ~い…スタート」
同時に軽く転がすように白黒を放つ

タタタタ… ガバッ!

「はい、スト~ップ」

思ったより白黒の動き出しが早い、役者さんが起きる前に通り過ぎてしまった
もう少しびびっておっかなびっくりになるかと思ったのだがこいつはハートが強い
白黒を捕まえながら(さて、どうしよう…)と考える。

「…次はあのタンスの上から出してみていいですか?」
監督さんに伺いを立てる

「いいよ、置いたら君のタイミングで逃げてくれ、こっちでスタートかけるから…○○さんもそのつもりでお願いします」

「もうテストではなく本番で行くよ、OK?」
監督さんの指示が早い、現場の流れがとても良い

白黒をタンスの上に連れていく、あっさり離れてもいいのだが、少しタイミングを読むフリをしてみる
無駄なカッコつけも時には必要だ。

「いきま~す」
声を掛けて白黒から離れる


satsuei02_10.jpg


「スタート」
タンッ、白黒がタンスの上から飛ぶ、ひと呼吸おいて歩き出す、1,2,3 … … 役者さんが起きる

「はい、カット」

白黒をタンスに上げたのは、飛び降りさせることで動きが止まり2・3秒稼げると思ったからだ。
まぁまぁ予想通りの動きになったと思いながらモニターチェックに加わる

今撮った映像を見ながら(取りあえずこれは使えるだろ)と思いホッとする
1本でも使えそうなのが撮れると気持ちが楽になるものだ。

「今の感じで、もう何本かいってみよう」
と、いうことで撮影が進んでいく、その後5・6本くり返すと白黒がダレてきたのか
動き過ぎてワク内に留まれなくなり、ネコを変えてみようという話になった。

彼にはもう限界だろう、それでも使えそうなのが2本はあったのではと思う。






                  ― つづく ―

撮影の話② 9/13

何だかんだで1時間くらい経っただろうか?
どうやら準備ができたらしい

「じゃ、始めようか」
と、声がかかる

「どれから出しましょうか?」
ネコ達に視線をやる

「まずは白黒からいってみよう」
白黒のネコをバスケットから取り出す、リビングでは役者さんがスタンバイしている。

「お願いしま~す」
と、ネコを小脇に抱えてリビングに突入する

簡単に撮影内容を説明すると

役者さんがリビングでうたた寝をしている→ハッとして起きる←これにテキトーにネコか絡む


satsuei02_09.jpg


簡単すぎるだろうか…?

「ワクはこの辺ですか?」
ギリギリのラインを確認して、カメラから向かって右、寝転がっている役者さんの足側から歩かせてみることにする。

「ここから出してみます」

「よし、じゃあテストするぞ、カメラは回しておけよ、○○さん(役者さん)はさっき言ったタイミングで適当に起きてみて」
監督さんが指示を出す。




                 ― つづく ―
プロフィール

sanchz

Author:sanchz
職業動物家

現在
「パンプキンファーム」オーナー

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