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撮影の話① 6/6

ともかく急いで作業着を着て場違いな水着姿は文鳥のシーンとともに無かった事にする

師匠から文鳥を受け取り「お前ら大物俳優さんに感謝しろよ」と言い聞かせてると
あることに気がついた

『あたし結局一つも絵を撮ってないじゃん

そういう時もあるだろう…でもギャラは普通に請求するからまぁいいか
と不完全燃焼な気持ちをなだめていると

「お~い、動物さ~ん、カレーが出来てるから食べようよ~」 と美術の親方から声がかかる


見ると美術チームだけでお昼の用意を済ませている (他の人たちはまだ作業中である)
ロケ慣れした連中の仕事の速さに笑ってしまう

よく見ると、その中に混じって師匠がすでにスプーンを握っている


(あんたもかよとコケそうになる



6-6.jpg


「鳥を置いたらすぐ行きまーす」 と返事をして車に急ぐ

(先に着替えくらいさせろい)とブツブツ言いながら



                     ーおわりー 
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撮影の話① 5/6

美術さんが「何か現場がおかしいよ、何かあったのかな?」 とモニターを指差す

「なんでしょうねぇ?」 と見に行くと操舵室から別の美術さんが降りてきてこう言う

「鳥のシーンは中止になりましたよ」

「はぁ?」 と一同

聞くとこういう事らしい


リハの後、さあこれから本番という時に

 大物俳優 「ところで監督さん、この鳥放しちゃうの?」

 監督   「はい、放して下さい」

 大物俳優 「ここで放しちゃったら海に落ちない?」

 監督   「ど…どうでしょうねぇ…」

 大物俳優 「溺れちゃったら可哀相だよ」

 監督   「…えっ…」

 大物俳優 「やめにしない?」

 監督   「… …」



という流れでこのシーンはなかった事になったらしい

(おお、流石は大物俳優さんだな)と思うが(おい、今さらあたしのこのナリをどうしてくれる)とも思う

5-6.jpg

                     ーつづくー 

                  次回  8月下旬予定 

撮影の話① 4/6

「じゃ、あたしもそろそろ…」 と立ち上がると

「お、動物さんどこ行くの?」 と美術の親方が言う

「ウチの鳥は軟弱なので……」 とあたし

「ん???」 と美術チーム

「拾いに行ってきます」 と作業着を脱ぐと中にはすでに水着を仕込んである

「おお!!」

と美術チームから声が上がる

4-6.jpg



目立つ事はしたくないのだが、落水した鳥をそのまま放っておくのはあまりに気分が悪い
シーンOKの後なら文句は言われないだろう

個人的な話だがこの仕事のお陰で泳ぎに行けなくなったのだ、(少しくらい泳がせろい
という思いもある

(さて、どっちへ飛び出すかねえ

と風向きを見て海を確認する、7月とはいえ水温は低そうだ、それに水面までは結構高い

(止めとけばよかったかなぁ

そう思っていると、どうも上の様子が変だ、何かパタパタしている

(どうしたん

と操舵室を見上げる



                     ーつづくー 

                  次回  8月中旬予定 

撮影の話① 3/6

あたしの思いはよそに翌日の撮影は順調に進み文鳥のシーンのリハーサルが始まる

上の操舵室は狭いので、そこでの作業は師匠にお願いして
あたしは下のデッキで美術屋さん達とモニターを見ることにする

美術屋さんというのは撮影の職人さんで、セット・小物はすべてこの人達が作った物であり
彼らがいないと撮影は成り立たない

時には彼らが動物を用意しなければならない事も多いらしく
『デパートの床を犬が滑っていった話』 や『カラスの剥製を屋上から飛ばした話』 など
なかなかおいしい話を持っている



3-6_a.jpg

あたしもプロとして負けていられないので
『ペンギンが脱走して川で魚を捕っていた事件』 や『噴水プールからワニ事件』 
などで応戦する



3-6_b.jpg


こんな話で盛り上がっていると、そろそろ本番らしいと上の美術さんが教えてくれる



                     ーつづくー 

                  次回  8月上旬予定 

撮影の話① 2/6

撮影当日、予定の時間にロケ現場に入るがいつまでたっても文鳥のシーンは始まらない
まぁ、こちらも時間が押すのは当たり前だと思っているのでのんびり待つことにする
数時間後、あたしが現地のネコと遊んでいると担当のADさんが

「すみません、日没が来ちゃったので今日は無しということで…

(なんのこっちゃ)と思うが仕方ない撮影なんてそんなものだ、その日は何もしないで翌日出直すことになった


ここで撮影の内容を簡単に

― 船の操舵室にある大物俳優さんがいる ―
― なんだかんだあって、大物俳優さんがカゴから文鳥を放す ―
― そして、皆で文鳥を見送る ―
2-6_b.jpg



とまあ簡単な内容なのだが、あたし的には一つ問題がある

ウチの文鳥はまだ若鳥なのでおそらくあまり飛べない……(´・ω・`)
つまり、そのまま海に落ちてしまうのではないかと思うのである



                     ーつづくー 

                  次回  7月下旬予定 
プロフィール

sanchz

Author:sanchz
職業動物家

現在
「パンプキンファーム」オーナー

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