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馬の話① (後編)

舌で歯を確認する、どうやら折れてはないらしい
起き上がり♂馬との間合いを詰める、
また立ち上がってくるところを横っ腹に食らいつく2度も殴られる気はさらさらない

どうやら横から押されるのは苦手らしい、そのまま時計回りにグルグル廻る
その体勢のまま、手に持っていた引き綱(ごつい犬のリードみたいなヤツ)
を首に廻すと、放牧場の入口まで併走、投げ入れるように♂馬を放り込む
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(次はどいつを捕まえよう?)と振り返ると他の馬達がゾロゾロと入ってくる
単純に入口ふさいで暴れていた奴が邪魔だったらしい(ヤレヤレ)とでも言いたそうである
全頭スムーズに入り柵を閉める
ほんの数分前までの殺伐とした空気がウソのように落ち着いている
みんな、しれ~っとしたものだ

いつの間にか日は落ちて暗くなっている
夜、星、山の中、馬達に自分…それなりに絵になる光景ではある
(あたしが流血してなかったら(;・ ・) )
真っ黒い馬のシルエットから吐息が白く糸を引くのを見ていると、あたしも気分が落ち着いてくる
「今日のところはこれくらいでカンベンしてやる」とつぶやき、その場をあとにした

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よく出来たお話なら翌日から扱いが上手くなったり、馬が懐いたりするものだが
現実はそうはいかない
相変わらず、プチ噛みする、どつく、歩かない…
まぁ、そんなものだろう

動物を扱う知識・技術は毎日の積み重ねによって養われるもの
一朝一夕にはいかないものである(まぁ、何事もそうなのだろう)
当時、そんな事を感じる余裕はまるでない

動物の世界に足を踏み入れたばかりのあたし(22才?)だった。



                    ーおわりー
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馬の話① (中編)

当時のあたしにその状況は理解出来る訳もなく
(やばい!馬が逃げちゃう、馬が怪我しちゃう (><) )
で頭が真っ白になる

(とにかくケンカを止めないと!)と、もめてる2頭に割って入ろうとするが
300kgオーバーの獣が暴れてるのだから簡単に入れるわけもない
近寄ってオタオタしていると若い♂と目が合った
草食獣とはいえ本気になっている馬の目は怖い、白目がかって血走っているように見える

びびっていると突然♂馬がこっちに向き直る、あたしに対して邪魔者だとロックオンしたらしい
(ち、ちょ…待っ…)と思うが動けない
♂馬が2本足で立ち上がる、目の前で300kgが立ち上がると威圧感がハンパない
(おそらく全盛時の曙と対峙したらこんな感じではなかっただろうか?)


「ガガン!」
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次の瞬間、首から上がスッ飛んだような衝撃が走り、変な角度で倒れている自分がいる
どうやら前足でのワンツーパンチをもらったらしい
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体を起こそうと思うのだが景色が廻って起き上がれない(;><)
これ程の打撃は、ある人の廻し蹴り以来かもしれない…人間離れしたパワーだと思う
(いや、人間じゃないから当たり前なのだが…(;・ω・) )
だんだん感覚が戻ってくると口の中に鉄の味が広がり、耳の後ろに生暖かい物が流れるのを感じる


それまで、馬というものは優しく扱わないといけない、他人の生き物だから大事にしないといけない
と思っていた
だが、自分の血を見たことでそういう思いが飛んでしまったらしい
こんな台詞が頭に浮かぶ



「人間様を舐めるなよ 

 

                      ーつづくー 

                  次回 (後編) 4月上旬予定 

馬の話① (前編)

動物を生業として生活するようになって何年経っただろう?

思えば、あたしがこの世界に入ったのは馬に関わる仕事がしたかったのだ
それがいつの間にか紆余曲折を経て現在の状態に…(別に不満ではない)
という訳で動物に関わりだした頃を思い出してみる。


学生時代、とある牧場に実習に通っていた、10数頭ばかり馬がいたように思う
馬というのは繊細だが好奇心が強く、従順だが身勝手というような、なかなか?
な生き物で今思うとサイトハウンド系の犬(細くて足の速い犬を想像して)
に感じが似ている
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しかし馬と犬では体のサイズが圧倒的に違う、400kg⇔10kgだから色々扱いに
困るわけだ

新しく来た人間に対して彼らは厳しい
様々な手段を使って新人を試そうとする、当時、素人同然のあたしにそれが分かるわけもなく

噛まれる(でかい体のクセに起用に前歯だけでプチプチ噛む)
蹴られる(モモやスネを振り払うようにコチンコチン蹴る)
体当たり(壁にギュウギュウ押し付けたり、尻パンチをくれる)
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という具合にやられ放題になる
それでいてオーナーや、お客にはいい子でいるので可愛くない

それでも数週間通うとそれなりに要領も良くなり、馬も手加減してくれるようになる、そうなってくると
何だか内輪に入れた気がして嬉しくなったりもした
ただ、どんな生き物も若い奴というのは思うようにはならないもので
3才位の♂には相変わらずボコボコにされて、怖い対象だった

ある日、あたしが一人で馬を放牧場に出す作業をしていた
まぁ、作業といっても馬房から出すと勝手に放牧場に走って行くのだから楽なものだ
最後の1頭を放して放牧場に向かうと 「ん?」 何かザワザワして様子が変だ

どうやら、1頭の♀に対して若い♂が発情したらしく
♂がちょっかいを出す→♀が蹴る
さらに♂がちょっかいを出す→再び♀が蹴る
これを放牧場の入口でやるので他の馬が入れなくてワラワラと溢れて大渋滞を起こしていた


                      ーつづくー 

                  次回(中編) 3月下旬予定  
プロフィール

sanchz

Author:sanchz
職業動物家

現在
「パンプキンファーム」オーナー

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